原因になるのは膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)原虫という小さな虫です。
若年層だけでなく中高年にも幅広く感染者がみられます。
トリコモナスは膣だけではなく、膣の近くの臓器(子宮頸部、尿道、パートナーの尿道や性器)にも住み着くため、膣のみ治療しても近くの臓器やパートナーから感染を繰り返してしまい、治療が難しいこともあります。
まれにですが、まだ性行為の経験のない女性や幼児でも、身につけている下着やタオルの汚染、浴室の風呂椅子などから感染してしまうことがあります。
症状はさまざまで、半数ほどの人は半年くらいは無症状なこともあります。感染が長引くと、おりものがふえたり、かゆみが出て来るなどの症状が出始めます。
トリコモナス感染をすると、膣内の常在菌が減ってしまうので、おりもののにおいが強くなるとも言われています。
トリコモナスの潜伏期間は10日前後です。
症状がない場合は心配な行為があってから少なくとも10日経ってから検査をしましょう。
検査の方法は病院で検査する場合は、新鮮な分泌物や初尿のなかに動いているトリコモナス原虫を顕微鏡で探します。原虫の量が少ない場合、培養する場合もあります。
特に尿で調べる時は、採取までに2時間以上排尿していない事、出始めの尿(初尿)を採取することが極めて重要です。
郵送検査では動いているトリコモナス原虫を確認することができないので、パパニコロウ染色という染色をして顕微鏡で見ます。この染色をすることによって死んでしまったトリコモナス原虫でもはっきりと顕微鏡で確認することができます。
5-ニトロイミダゾール系のメトロニダゾール(フラジール錠など)
1日500mg、10日間
メトロニダゾールは胎盤を通過して赤ちゃんへも作用してしまうため、妊娠中は基本的に使えません。
ピンポン感染を繰り返すため、パートナーと同時期に治療をすることがとても大切です。
症状がなくなったからと言って全ての原虫がいなくなった(完治した)とは限りません。パートナーと一緒に必ず完治確認検査をしましょう。
薬の服用を始めてから3週間から4週間経ってから完治確認検査を受けましょう。生理の後がいいタイミングです。